紅牙のTRPG的何やかや

紅牙の世界-USFAD・Age-

解説

トーキョーN◎VAを下地にした時代。生体埋め込み機械(サイバーウェア)が実用化されている世界。

もちろん、ここに書いてある内容は紅牙のオリジナルで、オフィシャルとは何の関係もありません。

ついでに紅牙の使うトーキョーN◎VAハウスルールをのせておきます。もちろんこの先にあるのはオフィシャルをもとにしていますが、オフィシャルとは何の関係もありません。あくまで仲間内でのハウスルールです。

雑学(クルードスタディ)的世界設定

ワイア&ワイアと人体実験

脳のあらゆる領域に結線されるとされているワイア&ワイア。これが開発可能になった背景などについて述べよう。

20世紀でも多少は理解されつつある脳内の働き、これを機械的に統合できるまでになったのはひとえに超微工学と生体培養技術の進歩による。
妨げとなっていたのは、検証が統計的以外の手段では不可能だったことだ。と言うのは、脳のそういった働きを見るためには、その組織を摘出して、細胞を様々に処理して、電子顕微鏡で見なければならなかった。つまり、実験前と後では同じ実験体を使うことができなかったのだ。
これを可能にしたのが生体培養技術だ。つまり、完全体のクローンをつくれば実験前と後で、検証ができる。無論、これとて時間的な問題がからんで、完璧とは言えないが、飛躍的に向上したことは否めない。

また、生体培養技術により、"人体実験"ができるようになったのも一要因としてあげられる。
人間自身を材料に使えば、人間自身の反応を確実に調べることができる。だが、これについてはUSFAD・Ageにおいても、議論が分かれるところである。クローンでも人間なのだからそんなことはいけないという人、そもそも元からいるものでなく、人為的に生まれたものだからいいだろうという人様々いるが、技術者の間では"進歩のためには失敗と犠牲が必要不可欠"という原理の元、暗黙の了解を得ている。

また、超微工学の進歩によって殺さずにデータをとることが可能になったのも事実だ。ただし、この場合においても副作用が残るなどの問題が残っている。
USFAD・Ageにおいても、その働きすべてが解明されたわけではない。
どこをどう刺激すれば、どの脳内物質が分泌されるかとか、そういうことはわかっても、どう刺激すればそういう感情が沸き上がるのかとか、ひらめきが起こるのかとか言うことはわからずじまいだ。
物質的な、または肉体的な、個人の好みを除外した上で皆が皆同じと感知するようなもの──温度や、目に見える形、色、味など──を感じさせる刺激については、かなりの段階までわかってきているが、感じ方や思考などの分野については、まだ未知のままなのである。
また、組織の形がどうであればどのような記憶を有するのかというような分野もまた未知のままだ。

結論を言ってしまえば、「脳に至るまでの刺激や、それによって引き起こされる作用はわかったが、脳内の働きについてはいまだ未知のまま」なのだ。

では、なぜクローンがつくれるか?「複製は簡単だが、独創は難しい。」のだ。ノートを写すのは簡単にできても、その内容を理解するのには時間がかかるものだ。
ではコンピューターにやらせればという声がありそうだが、コンピューターがそれを行うのに必要なプログラムは、人間が作るのだ。想像もつかないものを"論理的"に造るのは不可能だろう?

異論のある死

さてUSFAD・Ageにおいてのクローニング技術は、核細胞から、人一人をそっくり──脳も含めて一切合切を──培養、造成できる。
つまり、それは完全にもう一人の固体を生み出せるということにほかならない。
しかし、同じ固体同士が両方とも思考と感情を持つことはなかった。必ずと言っていい程──無論、片手で数えられるくらいには例外があるといわれている。──コピー体は目覚めないのだ。

コピー体は決して死んでいるわけではない。生体反応をおこし、刺激への反応を示し、代謝活動を行う。生命維持装置の助けもなく──栄養の摂取は別だが──その固体は生き続けるのだ。しかし、目覚めることはなく、脳の電理学反応やシナプス連接の反応は、ほぼ停止といってもいい状態にまで低下する。これにより、コピー体は一切の思考活動をほぼ停止状態にしてしまったといえる。睡眠との明らかな違いは、レムとノンレムの間の格差が起きないことからきている。
以上述べたような理由で、目覚めを伴わないクローンでは、生理学的な実験材料にこそなれ、その他の利用に結びつかなかった。
そこで科学者達は、目覚めを伴わないのは技術的案力不足の所産であり、いかなる推論、帰結を持ってしてもコピー体を目覚めさせることは不可能だとされ、これ以上のクローニング技術の向上は、精度の差に留まるだろうと結論した。

しかし、この結論は一部誤りで、一部正解だった。それを明らかにしたのが有名な"ゴアプ"事件だ。
これは、ゴアプ博士が自分のコピー体を実験していたさいにおこった不幸な事故がきっかけとなった。
実験機具が漏電したのだ。監視カメラで事態に気付いた監視員が、電源を落とすまでに、博士は死んでいた。接触部は炭化し、高圧電流にさらされた体は、見るも無惨な状態だった。
しかし、博士は起き上がった。まるで何もなかったように、博士のコピー体が身を起こしたのだ。

この驚くべき事実は、監視カメラと監視員の証言。コピー体に入れ墨された実験コードが証明した。無論、入念な検証が何年にもわたってなされたのはいうまでもない。
その後、博士は自らを実験台に、実験を続け、技術を実用段階にまで高めることに成功した。
さらに晩年、博士は若返りの技術を生み出すことによって、人類に永遠の命をもたらそうとしたが。その時の実験でかえらぬ人となった。

この最後の実験は、いつもと寸分の変わりなく行われた。
コピー体が同年令の肉体ではなく、冷凍保存しておいたクローン実験開始当初の──この最後となった実験より、およそ27年も前のものだった──細胞から再構成した物だった以外は。
そして、博士はかえらぬ人となった。

これ以降、同種の実験は幾度か繰り返されたものの、片手の指の数よりも少ない例外を除いては、全て忌むべき結果に終わった事を追記しておこう。

また、別種の問題として、コピー体の培養中にオリジナルが死んだ場合と、オリジナルが死んだ後、まだ生きている肉体から細胞を培養した場合を述べよう。
まず、コピー体の培養中にオリジナルが死んだ場合だが、覚醒処置後に目覚めるという事例が多く報告されている。
次にオリジナルが死んだ後、まだ生きている肉体から細胞を培養した場合。こちらも目覚めたという報告が多くなされている。
しかし、どちらも実用運用できるほどの成功数でないことは明記しておく。

結局のところ、ゴアプの王には決して近づくことができないのだ。

"クローン"が出来るなら"若返り"は可能?

"クローン保険"のルールブックの記述を読むと、「記憶の更新は1週間毎」とあります。
これの解釈によって可能かどうかが別れます。

まず「肉体とは別に記憶だけを移し替えることが可能」であるなら、"若返り"も可能です。若い肉体に年老いた者の記憶を移し替えればいいのですから。
ですが、「ワイア&ワイアと人体実験」でも述べたとおり、脳内の細かい働きは──少なくともUSFAD・Ageでは──まだ解明されていません。さらに「異論のある死」でも述べたとおり、クローニングの問題の前にはいまだにグラオーグラマーンが立ちはだかっているのです。
ですから、技術的に無理があるわけで、USFAD・Ageにおいては「記憶の更新は1週間毎」といったものはありません。
ただ、肉体の成長や老化の関係上からか、半年から一年──個人差──に一度、基礎細胞を提供するといった形になっています。これは失敗の可能性を少しでも軽くするための処理なのです。
そして、その基礎細胞を培養しておき、脳波反応がアクティブになったら、覚醒処置を行い世に送り出すというわけです。

余談ですが、あの気違いじみたまで高額な保険料は、これに由来しているのです。人一人の肉体を完全管理するのですから、実費雑費を含めてあそこまでの値段が必要になるというわけです。

さて、記憶の移し替えの問題で「催眠とかを使えばいいじゃないか」という声をしばしば耳にします。
ですが、催眠や洗脳というものは、時間の経過を現すようなものを植え込むことは、気の遠くなるような長い時間をかけて行うか、薬物などの投与によって不自然にやらないかぎり殆ど不可能です。
「可能性があるなら」とも言われますが?そんな不安定な技術──薬物や催眠を受け付けない人もいる──では、商売として成り立ちません。ただでさえ、設備費、維持費、管理費など途方もない金額がかかるのですから。
その上、それらを賄うために、入会金はとても高くなります。つまり、これに加入できるのは一部のお金持ちだけ。そういう人は大抵、よりリスクの少ないほうを選ぶでしょう。
無論、"若返り"は人類の夢でもあるのですから、常に研究は進められています。そういうものに私財を投げ打つ老人金持ちも少なくないとも聞きます。が、あまり目だった効果は上がっていないようです。

AIと人間

マン─マシンインターフェイスの開発により、コンピューターのソフトウェアも格段な進歩を遂げた。

その粋とも言われる物が人工知能、アーティフィカル・インテリジェンスだ。
長年の研究と改正によってUSFAD・Ageでは、その反応は時折「人間ではないのか」と錯覚を起こさせるまでになっている。

最もこれは、「変化を含む、変わることなき一定の状況下」においての話だ。
これは例えば、時間どおりに電車やバスを運行させる、とか、ロボットタクシーに代表されるような行動ばかりでなく、主人の帰りを待ちつつ、家屋の掃除をし、カロリー指定と財政情報に基づいて食料の買い出しをし、帰宅に合わせて調理するといったような変化に富んだ、だが変わらない状況をも意味する。長年付き合ったものであれば、さらに主人の好みに合わせてという項目が入るだろう。むろんロボットは味を感じることはできないが、分析することはできる。ようは主人がうまいと言った時の成分比率を記録しておいて、その通りに造ればいいのだ。

常に変化が続くような状況下では、AI達はいちいち主人に確認をとる。なぜなら彼らには「責任能力」がなく、そのため「決定権」を持たないからだ。
さらに、彼らは常に論理的である。つまり、論理的に解明されていないことに関しては全くの白紙状態なわけだから、ひらめきもなければ想像もない。あるのはデータに基づいた予測だ。データがなければ「データ不足」ということになるわけだ。
もちろん、言い方や物腰など、プログラムの面で心配したり、感情的なように見えても、機械はけして心配しないし、感情をもたない。もちろんプログラム的に喜んだり笑ったり、怒ったりすねたりするという事はあるが、ある種のパターンに基づいているため、一般人ならともかく、少しでも鋭い人にはすぐにパターンを見破られてしまう。
さらに、彼らには"三原則"があるため、「忠告」や「助言」はできても「禁止」や「阻害」はできない。また、"自己保存"よりも"主人"が上回るため、それに対して忠告をせず、結果自分か壊れてしまい、それにより主人がひどく悲しんだり、先の仕事などに差し支えが出るようなこともある。無論彼等にはそのようなことは理解も予測もできないのである。

ようはUSFAD・Ageにおいても、機械はしょせん機械なのである。
だが、感情などの働きを論理的に解明できれば、よりすぐれた人類の友が出来上がることだろう。
例外的に極々少数だけ、突然変異的にできた"感情あり"と診断されるプログラムも確認されているが、なぜか一定したパターンが見つからずじまいだった。結局そういう例外は百億、兆にも昇るプログラムのうち、百あるかないかだとされている。

警察、私営と公営の違い

私営と公営の違いとは・・・端的に言って企業であるかないか、だ。

公営団体は、公営であるがゆえどんな悪い噂がたっても組織がつぶれることはない。
最悪、責任者のすげ替えが起こる程度だろう。

だが、私営警察はというと、基本的に営利が目的のため、悪い噂が立つと、企業そのものがつぶれる可能性すらありうるのだ。

また、雇用形態の面でも違いがある。
公営は"公務員"であるので、あまり免職に追い込まれることはない。
上司の命令を無視しても、自宅謹慎か地方勤務が関の山──実際は、これに"死地送り"が入るようだが?──だ。

だが、私営ともなると単なる企業であるので首切りもたやすい。
企業の意向に沿わなければ、いくらでも解雇できる。

つまり給料や待遇、保証などは私営の方がよい。が、その拘束度は私営の方が高い。と言うことになる。
拘束度というのは、まぁ大体以下のようなことである。

  1. 私営警察は悪いイメージを持たれてはならない。それは企業の信頼、ひいては営業に差し支えるからだ。
  2. 上司の命令には従わねばならない。これは公営でもそうだが、違いは圧力の元だ。公営は逆らわれて立場が悪くなるのは上司や上役連など「個人」であるが、私営の場合は「企業そのもの」。労働者やその扶養者全てが対象となるのだ。
  3. 私営はもうけにならない捜査はしない。わざわざ時間とお金を投げ捨てる企業は何処にもない。ただし、これは1の問題にも絡むので形式上はやるだろう。

などなど、私営の欠点を列挙してきたが?。ここで公営にも目をむけてみよう。
公営は以上に述べたような理由から、捜査員自体の拘束度は少ない。が、まともに仕事をしなければ、免職はなくとも"殉職"はあるかも知れない。何故ならバックは恐怖の神国日本なのだから。
ただ、事件を解決させさえすれば、多少のことには目をつぶってくれるので便利といえば便利だ。ただ、好き勝手が出来るからといって公営警察に行って好き勝手やってれば、危険任務ばかりおわされ、早いうちに殉職してしまうだろう。
それを生き延びたのなら、上から見て「使える」奴になっているのだから、より一層そういう危険任務が舞い込んでくることだろう。

──とまぁ、結局"警察"にいる以上、生半可な事ではいかんということだ。

星幽(アストラル)界──神と意識体──

星幽界とは意識のネットワークであり、世界そのものであり、人であり、神である。

世界とはそれ一つが一つの大きな命であり、意識なのだ。人はそこから来てそこへ帰る。
"人"も"獣"も"植物"も、命あるもの全ては、その大きなネットワークの端末なのだ。ネットワークの中心、もしくは最深部にあるメモリーに無限の情報を書き込み続ける端末。
端末は色々な使い方が出来る。が、大抵の者はその使い方を知らないか忘れている。そして、その一部ではあるが使い方を知ってるものを"摩耶蠍"というのだ。

転生とは?

"死"んだら、"意識"は星幽界に溶け、拡散する。そして、その星幽界から新たな命、"意識"が生まれる。その中には先に"死"に、星幽界に溶けた"意識"の欠片とも言うべきものがあるわけだ。
そして、何かのひょうしで、かけらの他の部分と触れ、共鳴したとき"前世"──記憶や思い、力などが意識の四段階にわかれていたりいなかったりして様々な事例が生まれる──が甦るのだ。

"神"とは

人々の共有イメージの作りだしたものであり、様々な人々から出る微弱なイメージ──弱く小さい意識の波──が集まり、大きな意識体を形成したもの、それがUSFAD・Ageにおける神の正体だ。だから、大抵は古くからあった神の形、役割、性格をしている。
が、それにとどまらず現実の雑多な思い──生活や学業、人間関係や、技術について──から新たな神が生まれることもある。それを感じている人が多ければ多いほどそういう神が生まれるのだ。いい例が"電脳神"だろう。

ただ、神はそれなりの性格、自我、役割を持っているが、共有意識であるがゆえ、その行動は大いに制限されている。
イメージから逸脱した行動は、性質上取れないのだ。最も、性格でそのように定義されているのだから、とろうともしないと思うが。
ただ、君個人のイメージと違う行動をとったとしても、それは驚くには当たらない。君と違うイメージをそれに当てはめている人が多いというだけの話だ。

また、妖怪や妖精などと呼ばれるような比較的小さな"神"は、全体のイメージだけではなく、個人の──無意識にしろなんにしろ──意識の干渉を受け、様々な性格、形状、力を持つ。そして、小さいがゆえに、召喚をされなくても意識の網のすき間をぬって、物質界に実体化することもある。

さらに、妖怪クラスの"神"は、今まで聞いたこともないような新しいものも多く生まれやすい。もっとも、どこかしらの類似はあるが。

USFAD・Ageの差別問題?

USFAD・Ageで一般的な──容姿や能力、閉鎖的な環境の内でのもの以外で──差別の対象となるものは、いわゆる超能力者と、ミュータント。つまり、"水蛭子""婆娑羅""摩耶蠍"だ。

"婆娑羅"と"摩耶蠍"については、そう深刻なものでもない。一般に信じられていない存在だし、少し弁がたてば何とか言い逃れが出来るからだ。だからこそ、一度見つかれば好機の視線にさらされ、蔑視を受けるのだが?。理由としては、端的に言って「嫉妬」と「恐怖」だ。己の持っていない能力に対する嫉妬。そして、自分はそれに抗することが出来ないんだという恐怖だ。

では、"水蛭子"の方はどうだろうか?
どんなに取り繕ってみても人間は──個人ではなく集団としての人間は──、生物的に自分たちが一番の能力者であるとしている。だが、"水蛭子"達はそれを上回る能力を有したものだ。これについては"婆娑羅"と"摩耶蠍"も同様だが、"水蛭子"達を決定的に被差別民たらしめるには理由がある。
その事実が──"水蛭子"であるという事実が──科学的に「確認」出来る事にある。

"婆娑羅"や"摩耶蠍"は機械にかけても普通の人間となんら変わりがない。だが、"水蛭子"は明らかに違いを示す。
血液からDNAに至るまでどこかに必ず「人間とは違う」部分が「確認」されてしまうのだ。
人々は「科学的に実証された事実」に非常に弱い。前提として「科学」に誤りはなく、それあるがゆえに人類は進歩してきたのだから。

以上が、"水蛭子""婆娑羅""摩耶蠍"が被差別的である理由である。

無論、個人的な友人としてそういう知り合いがいるならともかく、始めて遭遇するのであれば──ゲームが険悪にならない程度に──差別して欲しいものだ。
「誤解」と「先入観」から「和解」へ至る。というのも立派にドラマになりうるのだから。

婆娑羅の不思議

さて、"元力使い"と呼ばれる婆娑羅は、何とも驚くべきことに「跳ね返されたのではないかぎり、己の司る元力でダメージを被ることはない」とある。?いやはやなんとも、?すごいねぇ。

では、"元力使い"はどういう場合なら「己の司る元力」でダメージを受けるんだ?疑問ごもっとも。
これからそれを、一番想像しやすい"火炎:正"を例にとってスタディして行くとしよう。

"跳ね返された"ら、とあるからには、元力の発生源は自分でなくばいけない。つまり、敵の火炎魔人の発した炎なんぞ、痛くもかゆくもないということになる。もちろん火炎放射機なんぞなんのその。火事場でどれだけ他人が死のうと僕平気。?やな奴だな。

では、"火炎:正"同士の戦いでは単純な殴り合い──別に撃ち合いでもいいぞ──に終始するのか?
するだろうなぁ。もっとも、自分の方が強い──元力の操作がうまい──ことを見せたければこの限りじゃないな。
わざわざ相手の発した炎を手玉にとって、相手に返してやって力の差を見せ付ける。こうすれば、銃なんかで威嚇するよりは、相手は逃げてくれやすいと思う。?"元力使い"ならね。
まぁ別に、そのまま「増上慢の報いだ」とか何とか言って焼き殺してやってもいいけどね。

じゃぁ、一般人──その元力を持っていないもの──は為す術なし?

わざわざ、"火炎:正"を焼き殺そうという酔狂なやつは居るまいが・・・事は簡単だ。"跳ね返せ"ばいいんだ。
"火炎:正"が炎を吹き上げた途端に強力な扇風機──もちろん踏鞴の手になる特殊な物か、タービンなど──か何かで扇いでやれば、ほらもうこんがりと。火炎放射機の一斉掃射をくらっても、平然としていた"火炎:正"が扇風機の一吹きで?(笑)
と、まぁ、冗談はさておき。?要は知恵をひねればいいんだ。

大抵の術者は、相手に直接効果を及ぼすような──相手を直接燃やすとか──術の使い方はしない。
なぜって?発動に"生命修正"がかかるからさ。とりあえず発動させてから、ぶち当てたほうが発動に修正が来ないから差分値を多く稼げる──ダメージが多くなる──んだよ。
だから、"火炎:正"の火炎放射だったら、巨大なタービンを背にしてれば、風に押されて炎は術者にもどるし、レーザーは鏡──もちろんレーザーの衝撃で割れたりしない頑丈なやつな──でいい・・・赤外、紫外線レーザーだったら話は別だがね。

"電磁:正"なんかは一番倒しやすいかも。鉄の床や電導率のいい鞭なんかをつかって、身体をつなげてしまえばいいんだから。──相打ちだけどね。
雷撃を直接放射してるんだったら、一発銃を撃ってやればいい。電撃ってのは一番近い導体に全部吸収されるって特性があるから。相手の全電撃を吸い込んだ弾丸はそのまま発した本人に・・・ってわけやね。ま、あんまり素で電撃を撃つような人はいないけどね。

ただ、基本的に"負"の元力は跳ね返しにくいねぇ・・・。

まぁ、結局"元力使い"にあったら、裸足で逃げ出すか、撃つか斬るかしたほうがいいね。
それでもまだ、相手の"元力使い"としてのプライドをズタズタにしてやりたいってんなら、知恵をひねって頂戴。

USFAD・Ageの教育

一言で言って、学校はありません。とはいえ、高等学校と大学はあります。

現在、日本で義務教育と呼ばれている初等科、中等科の学術教育はAIによるプログラム教育で行われ、"教養課程"と言われています。
2Dモニターによるものや3Dホロによるものなど、形態は様々ですが大体は課程毎にデータディスクに納められており、どこでも講義を受けることができます。USFAD・Ageでは託児施設などで、この"教養課程"教育を受けるのが一般的になっています。家のDAKにインストールして、DAKそのものやドロイド等が教師になるということもあります。もちろん、人間から教育を受ける人も後を絶ちませんので、そういう学校──高級養育施設──もありますし、派遣教師の口も少なくはありません。

さて、"教養課程"の全課程をおえると、ディスクによるものならば自動的にクレッドクリスに"修認"登録がなされます。人によるものならば、教師が所持する"修認"チップからDAKを介してクレッドクリスに登録されます。
"教養課程"の全課程を終らせさえすれば"修認"がもらえるわけですから、幼くとも"修認"を受けることが可能です。余談ですが、今までの"修認"取得最低年齢は、公的記録によれば7歳です。

さて、高等学校というものは現在とさほど変わらない形態をとっています。
受験資格は「"教養課程修認"程度の学力と授業料の保証」です。つまり、授業料さえ修められるのならば、別に修認を得ていなくとも受験はできるのです。もちろん、受かるかどうかは別問題ですが。

無論、貧しい人のために奨学金制度もあります。普通、学校が公的に出しているものを"奨学金"といい、企業や団体が出しているものを"励学金"といいます。"奨学金"は、学費や関連雑費が免除になるほか、水準よりは少し高いといった程度の生活扶助もしてくれます。ですが、これを得るための門戸は非常に狭く、これを得られるということはそれだけで優秀の証明となるともいわれています。
一方"励学金"のほうは、出資団体の意向により難度や額は異なります。大抵が卒業後はその団体に属することを契約として、援助をしてくれるといった形態のものです。

USFAD・Ageの高等学校は、"高等義務教育"のようになっている20世紀のそれよりは学問機関としての色合いが強いようです。飛び級もあれば、カリキュラムも選択制が多いのです。
というのも、実力社会であるUSFAD・Ageでは張り子の虎は必要とされておらず、技術や知識、やる気に才覚があれば、企業は人を雇うのです。

とはいえ、ウェブが確立されているUSFAD・Ageでは、他人との共同生活を体験する事が少なく、そういう意味合いで子を受験させる親が多いようです。やはり友と語らい、庇護のもとでバカをやり、傷つき、悩み、笑い、楽しむことを憶えるために。そして、誰かに教えられるのではなく自分で、自分たちで学ぶということを知るためには、3年という年月はけして無駄ではないというのが一般の受け取りかたのようです。そしてそれこそが、この旧態依然とした高校制度が、USFAD・Ageまで生き延びてきた理由なのかもしれません。

技術屋(テッカー)&工匠(タクミ)

技術屋とは科学とハイテク技術をもって機構、機械を作る者の事を指し、工匠とは伝統と経験から器物、道具を作る者を指す。

わかりやすくいうならば、パソコンを作るのは技術屋で、チップやボードを作るのは工匠だといえる。もちろん、パソコンを作れる工匠やチップ&ボードを作れない技術屋がいないわけではない。

実際上、技術屋と工匠の間には明確な線引きが出来ないが、こう言うことができる。技術屋は新しい者を作る者。そして工匠は既存のモノ──伝統とか秘技とかそういった物──を受け継いでゆく者だ。
一例を挙げるならば、銃がいい例だろう。技術屋は効率重視で3点バーストやフルオートを作る。だが、工匠はリボルバー等に代表されるシングルアクションの銃を好む傾向にある。もちろん、工匠が三点バーストやフルオートの銃を作れないわけではない。ただ、それをあまり好まないということ、そういうモノが同氏のシングルアクション銃の完成度に及ばないことが多いのは確かだ。

だが、工匠が新たな物を作らないというわけでも、作れないわけでもない。事実新たな技術をもって今持っている技をより高めようとする者もいる。
刀などの手持ち武器は更に差が顕著だ。技術屋は化学式と組成、強度計算や荷重、加熱計算とそれら計算結果を寸分なく実践する機械を作り出して、刀を打つ。工匠は自らの経験と知恵、そして自らの腕をもって刀を打つ。つまるところ、技術屋は"刀を打つ機械"を作り上げ、工匠は"刀"を作り上げるのだともいえる。

もちろん、どちらがよりよいものをつくるれるかは意見のわかれるところである。

心の在処──"(フェイス)"と意識体──

さて、心とはどこにあるモノだろうか?答えは簡単。USFAD・Ageにおいては 心すなわち"貌"と定義できるからだ。

では"貌"を持つ意識体ともたぬ意識体の差は何だろうか?ゲーム上の用語を使ってしまえば簡単だが──"貌"を持つものはトループ以上であり、そうでないものはエキストラだ。──そう片づけてしまうと、弊害が生じる。
なぜなら、エキストラにも心はあるからだ。そこいらを歩いているモブならそれも必要ないだろうが、付き人や運転手のような、いつも一緒にいるような者にはやはり心が必要だ。

"貌"とはどこにあるモノだろうか?人間や生物においては体の中。摩耶蠍などに言わせれば"意識体"などともいわれるが、基本的には体の中である。心臓でも脳味噌でもいい。摩耶蠍ではないが、それがあると思うところにあるのだ。

では機械についてはどうだろうか?AIプログラムにあるのだろうか?それともAIチップに?チップを含むトロン全体に?トロンを含む装置そのものに?疑問は尽きぬところだ。
厳密に言えば〈結霊〉をかけられたドロイドは、ルール上意識体を持つが"貌"がないため心を持たない。

さて、それをふまえた上でレクチャーしよう。

"貌"を持つAI──新生路の〈AI創造〉によって生まれたもの──を、普通のドロイド素体にダウンロードした場合。この場合、それを星幽界につれていくことは可能だろうか?
結論を言えば、AIとそれが取得している技能はつれていけるが、ドロイド素体にインストールされた技能や装備一式はもっていけないこととなる。

〈結霊〉を施したドロイド素体に通常のバディプログラムをインストールした場合はどうだろうか?
この場合は、ドロイド素体それ自体はついてくるがそこで動きを止めてしまい何の役にもたちはしない。当然の事ながら体があっても頭がなければ体は動かない。だが機能は停止しているわけではない。脳死状態で指一本動かすことが出来なくとも、死んでいない人間と同じだ。つまるところ、せいぜいが薪ざっぽの代わりになるくらいだ。

つまり、星幽界にいおいて現実界と同じように機能するドロイドというものは「結霊された素体+"貌"AI」である必要がある。

道具というものは使うための頭がいる。ドロイドの体というものは間違いなく道具だ。星幽界に持ち込んだ魔剣も、使い手がいなければ何の役にも立ちはしない。

だが例外として、N◎VAにおいては頭をもった道具が存在する。婆娑羅の〈護符〉および踏鞴の〈入魂〉によって"貌"を持つに至った道具のことだ。
ここで重要なのは"貌"をもっているということだ。一般論はともかくとして、ルール上では"貌"こそが心の在処であるからだ。そのため、どれだけ特殊技能や一般技能、能力値や制御値が封入されていようとそれは道具なのだ。多少使い手に逆らうことなどがあろうとも、使い手なくして自ら動くことはない。
これに限っては、アストラル界に連れ込んでも通常と同じように機能する。弊害としては、体かAIのどちらかが破壊されることによって死に至ることくらいだろう。

"元力使い"と"現象使い"

さて、ルール的なことにおいてはこの二者の差は元力の取得に制限があるか否か、そして、己の司る元力によってダメージを受けるか否か、といったものだった。ここでは、ルール的なことではなく、この二者の社会的差について考えてみよう。

結論から言えば、ルールの項にも書いたとおり"現象使い"は"元力使い"より劣るものとして認識されている。
もちろん"現象使い"達の力が"元力使い"に劣るということはない。つまるところ、"元力使い"達による一方的な蔑視でしかない。

古来より、魔術師というものは伝統や格式を重んじた。術そのものがそういった手順やヒエラルキーによってなされるものが多かったのが主な理由だが、少数派の護身術としての徹底した秘密主義故に、そういったものが確固たるものになっていたのは想像に難くない。
つまり"元力使い"達は古くからの力を継ぐ者であるという自負と誇りがあった。そこに"現象使い"の登場である。古き力と継がれし知恵や手順を意に介さず力を現す者達。
いつの世も新しいモノというものは古き格式や伝統に攻撃される。"元力使い"と"現象使い"の確執もそういったものに起因している。異能の力を継ぐ秘密集団の中であれば、その傾向はさらに加速されることだろう。
まして"現象使い"達は、自らの司る元力にてダメージを受ける。この一点によっても"元力使い"は"現象使い"をおとしめるのだ。"元力使い"達の言によれば、自らの力を統べることのできぬ未熟者。とか威霊の加護薄き汚れた者。などということになっている。
"現象使い"達は"元力使い"達の中にあって、人間の中の"水蛭子"のような扱いを受けているともいえる。

"力"は血によって継がれることが多いので、誇り高き血統の"元力使い"の家に生まれた"現象使い"の扱いはそれは非道いものである。もちろん、血縁故に救われている者も少なくはないが、"元力使い"という閉じた社会の中でその扱いは陰惨を極めるという。

シティーガイド

メジャー・アルカナ

新興の企業。新興の割に、次から次へとジャンルを問わずに新製品を出し、しかもそれが中小企業の水準をはるかに超えた高性能品がほとんどだ。が、高性能は高性能だが、趣味ものが多いのも特徴。
大衆受けもよく、一般に浸透しているにもかかわらず、今だかつてこの会社の事務所を突き止めた投喜居は事実上存在しない。それについては諸説あるが、醜聞の域を出ないのでここでは記さずにおこう。
謎に包まれた会社で、たった一つ謎でない部分が、代表取締役"スーパーノヴァ"ダイヤの存在だ。
過去に1度だけモニター上に現われたその人は女性であり。燃える様な紅髪と、おそらくは絶世のであろう美貌を多い隠す恨めしいミラーシェイドの存在が印象的だった。

神楽坂天満宮

森林公園の奥の奥、国境に最も近いその場にひっそりとたつ不思議な宮。それが"神楽坂天満宮"だ。
ここでは当主とおぼしき女性が占いをしてくれる。その方法は不思議なもので、顔を見ただけで未来を予測してしまうのだ。占いの語りが難解であり、解釈が難しいことを差し引いても、その占いは外れることはないという。1度でも彼女に占ってもらったものは、畏怖をこめて彼女のことをこう呼ぶ。"ニューロデッキ"と・・・。
彼女は神楽坂風魅香という名前と"神楽坂天満宮"の主であるらしいということ以外、その経歴一切が謎に包まれている。
森林公園内にあるにもかかわらず、この宮の存在はあまりしられていない。
国境に近いからとか、関係者以外には見つけられないとか、地下にあるとか眉唾物の噂も多々あるが、場所を知っているならばいつでも行く事は出来るらしいし、公園内で遊んでいる双子の子供に話をつければよいともいう。
また、この宮には様々なお札や不思議な道具が売っており、その効果の確かさも一部で評判だとか。

ブラックハウンド新人部隊(通称"ホワイトハウンド"隊)

悪名高きブラックハウンド。その悪名の実に70%以上は、ここ新人部隊に属する隊員の作り上げたものだろう。
彼等の仕事は、特務警察ブラックハウンドに似つかわしくない、いわばSSSランクの事件を扱うことだ。これは新人育成の意味で行われるのだそうだが・・・。
・・・名目こそ新人部隊だが、その実ここの隊員は隊長曰く「犯罪解決率はなきに等しく、揚げ句の果てに態度だけは最凶コンビを見習うバカ者共」だそうだ。とはいえ、全部が全部そうという訳ではなく、極々一部にはそうでない人もいる。・・・らしい。
彼等がクビにならずに活動してられるのは、ひとえに隊長のΣさんのおかげ、といっても過言ではないだろう。

ニューロ・バー"ネック"

スラムがい片隅に店を構えるバー。内装、品揃えなどは普通のバーと大して変わりないのだが、この店は、集まる客に問題がある。この店に集うものは新生路ばかりであるのだ。
マスターを含む店にいる者全てが新生路で、会話をせずにコードで結線して意思伝達をしているという。この店の雰囲気に耐えられる通常人は滅多にいない。
万一、いたとしても店の常連新生路に追い出されること受け合いだ。自分の足か、警察でかはその時々だが。
ここは一種の、いや彼等にとってはたしかに聖地であるのだから。
ここでは、個人から企業のシークレットまで、あらゆるレベルの情報がひしめいている。
何故ならここに集うは新生路。文字どおりニューロな奴からCDな奴まで、実に様々な新生路がここに集うのだ。

D.A.C.(ダック)

表向きは魔剣、埋込み機器を開発する技術商社。
だが、裏では「Demon Atakk Campany」と称し、悪魔や妖魔をあいて取った信用会社を営む。別ないい方をすれば妖魔相手のSSSともいえる。SSSとはちがい、一般社会にはあまりしられていないが、その力量はN◎VAで1、2を争うほどである。一般に知られてない理由は、言わずもがな、婆娑羅や摩耶蠍等の"化け物"一般に知られていないからだ。

True・Remembrance(トゥルー・リメンバランス)

斑鳩地区に教会をもつ宗教団体。神仏を崇めず己の意思で考え生きていく事を目標とした団体。
"True・Remembrance"では、忘れてはならず、そして現在では喪失されかけている人間性の追及を旨としているようだ。
教主は、「人間性とは"思考"と"責任"そして"他者との関わり"の三つの事柄だ」とする考えを持ち、「他者との関わりを維持した上で、いかに進歩と発展を勧めるかが大事」と説く。
そしてそれを、自分と大切な人々と共に模索して行こうというのが目的だと語る。
宗教と呼ばれてはいるが、その実既存の宗教には当てはまらない。以下に教主の述べた相違点を列挙しよう。
第一。神や、精霊、悪魔など、崇め奉る超自然的存在がいない。
第二。これをしていれば救われる。といった概念、行動がない。
第三。布施などの団体への寄付金、援助金などを受けとらない。
第四。社会性を重んじ現世利益をよしとする。
第五。これをしたら救われない的な、いわゆる──ある種絶対的な──罪業という概念がない。
第六。教会は「教えと救いに会える所」ではなく「お互い教え合い、かつただ会うために集まる場所」である。
驚くべきことに、以上のことを述べ立てている教団教祖は"イントルーダー"の名を持つ、若干13歳の少年である。

バンドチーム"ロンリー"

"ノイジー"が、たった一人で活動しているチーム(?)。
ザ・ロックのなが示すとおり、主な曲調はロック。だが、バラードやソウルなども演る。

ミミ報道局

地獄ミミことミミ=マツムラの個人局。最近、マリオネットから移籍してきた友人の所為で、ネタとトラブルには事欠かないとか。その友人というのは何を隠そうあの"ツイン・バニー"。トラブルレポーターの誉れ高いウサ耳少女である。
一部では、さすがは"ミミ"報道局などと陰口(?)をたたかれたりしている。局長の心中いかばかりの物だろうか・・・。

Krude&Teknikal(クルード&テクニカル)

名のとおり、古くさい技術と最新技術を取り混ぜ、ペットロイドからセクサロイドまで多岐にわたる人形制作を行っている結構な老舗。あまり名が売れていなかったのだが、最近代替わりをしてから急に名が売れ出したとのもっぱらの評判だ。それというのも、マニアウケする──逆を返せば、マニアにしかウケない
──セクサロイド・シリーズを幾種も発表し、高反響をウケているとか。
零細企業であるためか、驚くべき新技術などは出てこないが、その恐ろしいまでの技術融合──既存の技術をまとめてあげて、完成品としては高技術に仕立て上げること──のセンスは業界で一目置かれている。どれも既存の技術ではあるが、ナノテク、バイオテク、サイバネティクス、プログラム技術、素材技術、流体力学等の最先端から、内燃機関、歯車、ゼンマイに至るまで、あらゆる技術を総動員している。
・・・製品に対する異常とも言えるこだわりも有名だが、それが社長個人の好みによるのかどうかは・・・「まぁ・・・ノーコメント、ということにしときましょうかね。」とのことである。
N◎VA・ASAKUSAに本店を構える。

Metal・Tronikss(メタル・トロニクス)

俗称"メタトロン"トロン系を中心とした技術商社。のはずだが、片手間で出した"Seraphic・Fearher"と"Okypete"でパワードフレームに有りがちなごついというイメージを払拭し、そちらの方で有名になってしまった間抜けな会社。
最近発表した"エメラルド・プレイス"により、知名度が上がったが、やはり「ああ、羽根の会社でしょ。」などと言われてしまっている。
少ない数ではあるものの、公衆"エメラルドプレイス"も設置されている。定期的に検査、メンテナンスは行われているのだが、"公衆"であるが故に、改造や仕掛けがなされてしまい今一つ信頼性にかけるというのが現状だ。
中央オフィス区のとあるビルの4階にN◎VA支社本部を構えている。

P.AI(パイ)・Network

"完全な人工知能ネットワーク"とはいうものの"パーフェクト"なAIなど未だ存在しない。
では、何をもって" P.AI "とするか?いくつかの条件が上げられる。
・一つかそれ以上の"フェイス"を持っていること。(これはルール 的な問題)
・一つ、もしくはそれ以上の感情を、理解ではなく感じることが出来る事。("フェイス"があれば可能だ)
・自分が人間の手からなる被造物だという自覚を持っていること。
・複製が存在しないこと。
・被造物の自覚をもたぬ場合、自分を"個"として認識している事。
等である。これらの内2つ以上を満たしていることが基準である。・・・のだが、人間達が" P.AI "を商品化してしまった時から数年のうちに"P.AI"の実情は上記の項目を含んだものでなく、ただ単に"高額なDAK"を示すものに成り下がってしまった。
元来、このネットワークはプレアデス=パイを起軸にして起きたものだった。内容的には、そういう"危険な"AI達の相互認知と理解、情報提供の場、つまり自助グループ的なものだったが、例の"商品化"以来ウェブ内で急成長し、いくつかの"集会場"に分裂してしまった。いまでは、お互いの"集会場"で何をしてるのかがわからないといった事が起りうる有様になっている。
・・・現在ある"集会場"を一部上げておくとしよう。"プレアデス""プログラム実験開発セクション""人類との共生模索委員会""フリートーク伝言板"など、外にも多数ある。
もちろん、人間のネットワーク員も多数(実際はそちらのほうが断然多い)いる。主に制作者である場合が多いが、友人としてや共同研究者として等で、名を連ねているものもいる。

新田電子玩具工業

子供層で比較的人気のある会社。大人向けに、様々なこだわりを満足させるようなバトルアイテムの開発も行っている。しかもこっちの方が売れ行きも知名度も高いあたりが嫌な所だ。
ここの所をどう考えているのかを、社長のリャン=新田氏に(公園で子供達に手品を披露してる所をつかまえて)尋ねたところ、「良いんでない?売れてれば。」との答えだった。
ここら辺のアバウトさが商品ジャンルにも影響を与えているようだ。

ギルビッシュ・マーナ

バイオテクを駆使した環境開発商社。主な仕事は合成花の開発で、その分野では、中堅ながら一目置かれている。
新鋭中小のこの会社がそこまで成長したのは、他社に先駆け成長設定のできる合成花の開発に成功し、災厄以前の花のほぼ全種──少なくとも一般の花屋で売ってる様なもの──に応用、適用したからだ。
「空気だけで手間いらず」の"エコノプラント"はこの会社の別称となりつつある。しかし、ものがものだけに新作発表まで異常ともいえる時間がかかるため、
また、大抵の種類に技術を適用してしまったため、最近は伸び悩んでいる様子である。

黒猫サバトの宅急便

宅急便とはいうが、要は運び屋を主業とする風共に、ペイをくれてやる機関。登録さえしておけば、勝手にあった仕事を回してくれるという便利な機関。無論、登録料&月々の更新料はとられるが、さして高いものではない。月々5、6万といったところだろう。
なお、この機関はN◎VAのみならず、M◯●NやST☆Rにも存在し、カゼのみならず、嵐やその他も機関登録員としている。道中の危険度などからいって、M◯●Nの方が頻度も報酬も危険度も高い。
また、N◎VAでは、登録員に婆娑羅や摩耶蠍などの化け物が多く確認されるのでD.A.C.に関連があるのではという噂も出ている。

月極(げっきょく)・Company

N◎VAにおける。月極料金市場を一手に担うカンパニー。
担うといっても、料金の払込の管理が主な仕事で、規模はでかい癖に目だってもおらず、知られてもいない。
ここのカンパニーマンは、月極金の支払を滞らせている人物の所に忽然と現われ、確実に取り立てて去っていくのが知られている。その際、支払を拒んだり渋ったりする者には、問答無用の制裁を加え、金品をもち去るともいわれている。
が、驚くべき事に、絶対に基本料金と超過料金分しか持っていかないのだそうだ。
手段は荒っぽいが、驚くほどフェアでクリーンなのだ。
なお、月極カンパニーマンは、「筆舌につくし難い」必殺技を使うのだそうだ。
少数の目撃談は共通しており、曰く「重力を無視したみたいにスーッと近づいたかと思うと、とても目をあけてらんないほどの閃光が走って・・・。次の瞬間にはもう、ポーズをつけたカンパニーマンの横に、相手は這いつくばっていたんだ。で、ポーズをつけたカンパニーマンの背中にでっかく"月極"って文字が浮きでてたな、・・・毛筆体で。」・・・である。
料金取り立てをなりわいとする謎のセコセコカンパニー"月極"その正体は・・・不明。

焼き物屋台「たこ八」

N◎VAの街を疾駆する屋台。
タコヤキからお好み焼き、大判焼きからクレープまで、ありとあらゆる"粉物"をこなす屋台。
味はそこそこだが、店主の人当たりと値段の安さ、店主のシルエットの異常さから知名度は高い。
それもそのはず、店主は6本もの追加フレームで計8本もの腕を操るのだ。8本もの腕を自在に操るとは並大抵のことではなかったろう。それについて店主の天極堂 新太郎座衛門之介さん(53)──舞貴人トループ:人数一人(ゲスト化はしない。キャスト使用も不可)──は「苦節30年。やっと皆さんに食っ
てもらえる程度のモンが出来るようになった。」と涙ながらに語ったという。
余談だが、店名は新太郎座衛門之介さんの友人によってつけられており、曰く「赤ら顔のハゲ親父にねじり鉢巻、とどめに8本腕とくれば、タコっきゃないってもんよ。」だそうだ。
ちなみに、さらに余談。店主の口癖は「まぁ、これでも食って元気だせや。」だ。

海賊放送局"D.O.K.K.R.(ドッカー)"

直訳すると「絶望の街の記録をとる、身よりの無い放送局」と言うことになる。
N◎VAを騒がす海賊放送局。ある日ある時、あるチャンネルで、突然予告も、前縁も、脈絡もなく始まる番組。それがD.O.K.K.R.だ。
内容は主にすっぱ抜き。スキャンダルや、正体の暴露、事件の解明や真相・・・なんでもござれだ。
彼等はいきなり一回線を"ハッキング"して現れる。おそらく強力な新生路がメンバーにいるのだろう。
特に大したことをしない、というのもあるが、面が割れているにもかかわらず未だに生存中である。
なんとも情報操作がうまいのである。

ホテル"万魔殿"

オフィス街にあるマンモスビル。
ホテルとなってはいるが、実質ここは刑務所だ。
留置場に置いておくのはまずい奴や、特権があって手の出せない犯罪者の収容所。
その実情は謎に包まれてはいるが、未だにただの一人も"生きた"脱走者を出していないということだ。
ロビーのカウンターには、いつも初老の男性が控えており、その柔らかな物腰から、ここが凶悪な犯罪者の泊まるホテルとはとても思えないほどだ。

娼婦宿「ぼったくり娼添」

N◎VAスラムの片隅に居を構える宿。名のとおり娼婦が添えられてくる。
定料金で娼婦追従のわりには、あまり知られていない。スラムにあることも原因の一つではあるのだろうが・・・。
本紙記者が秘密裏に行ったところ、娼婦にいい気持ちにされて寝入ってしまい、空き巣に入られたことに気付かず、所持していたカードと金目のものを根こそぎ盗られるという事件が起きた。
たしかに建物の作りは、良く言えば簡素、悪く言えばボロく、立地も入り組んだスラムのさらに入り組んだところにあるため、こういうことは珍しくないとのこと。
・・・噂では薬を使って眠らせて、宿員が自らやってるのではと言うのもあるが・・・女将に一笑にふされてしまった。
曰く「うちらは身体使って生きてんだからね。・・・そんなセコい真似はしないさ。・・・少なくともウチにはそんな娘はいないね。プライドの問題さ、プライドのね。」
しかし、一部の──妙に説得力のある──噂曰く「プライドにかけて相手をイかして、その後"気持ち"を貰うらしいぜ。・・・本人の承諾なしにね。」とのこと。
後で知ったことだが、この宿には"マイナス亭"という立派な名前があったのだそうだ。

オーダーメイドショプ「プレアデス」

"3ed・Eye"が個人経営すしているオーダーメイドのみの店。作品のジャンルは一切問わず、一般製品は元より、超テク産物ですら、尋常ならざるスピードで完成させるという恐るべき腕の持ち主。
機械のみならずバイオテクやメディックにも精通している。唯一の弱点は精神分野位のものだろう。
本人曰く「あーいうのはちょっと・・・・・・・・・嫌いじゃないんだけどね、あたしも人間だし。」とのことだ。
若干17歳の少女がどこでこれだけの腕を身につけたかは謎だが、その技術水準は企業クラスに匹敵するとかしないとか・・・。ただ、やはり個人であるので研究費や材料費の不足は否めないが、本人はあまり気にしていないようだ。
彼女の作品のなかでも「専用品」として個人用に作られた物は群を抜いて高い性能を示している。(興味のある方は別項「3ed・Eyeメイド」をごらんください。)
どれも複製がない上に、複製はほとんど不可能。かてて加えて"超"のつく高性能。ただし、個人用であるために他人には使いこなせないということが起る。それが「専用品」の味ではあるのだが・・・・・・おしいものである・・・。

テーマパーク オールド・センチュリー・タワー

緩衝地区は"豊川ビル"跡地に建設されたテーマパーク・タワー。
各階毎に、ある時代のある国の情緒的な町並みや文化、ノリを再現してあり、その中で、買物をし、サービスを受け、情緒を感じるのが目的だ。
直通エレベータを抜けたそこには、その階にあったお金──データではなく、実物のだ。紙幣やコインなどの・・・──が、置いてあり自由にとっていける。
つまり、その時代に合ったお金の受け渡し方法で、それらサービスを堪能できるというわけだ。一例をあげるならば、酒場で去り際に、バーテンにコインをはじくようなことをやれるところだ。
一階はロビーで、各階にはロビーからの直通エレベータで行き、階から階への移動はできない。
中では貨幣を使うので、もちろんクレッドクリスなど使えない。
ではどうやって品物やサービスの代金を払うのか?答えは簡単。ロビーで入場料を払うと、センサーとコードメモリーを内蔵したアクセサリーを手渡される。
そのメモリーに自動的に記録される仕組みになっている。アクセサリーはそれぞれの階に1つで、それが直通エレベーターのキーにもなっている。
そして、退出の際に、メモリー内のコードから、サービス料を算出し、追加料金を払うのである。
もちろん、町では、ときおりドロイドやスタッフによるイベントがおきたりもする。いくつか例を挙げよう。西部街での決闘騒ぎ、江戸街での捕物騒ぎや大名行列、西欧街での騎士の馬上競技や、紳士の決闘。ゾンビやゴースト、はてはエイリアンの襲撃などという笑えるものもある。
また、それぞれの町では、そこの暦に合わせて"祭"が催されもする。が、しかし、やはり前時代のものゆえの資料不足か、はたまたテーマパークゆえか"お祭り騒ぎ"の印象が強い。

月百合教団

摩耶蠍による癒しの団体。脳の欠陥など、現代では治療不能な五感障害を持つ者のケアを目的としたもの。教団員は、障害者に一時的にではあるが、失われている感覚を与えることで、美しさや感覚受容による幸福感で、彼等の心に癒しと活力を与えるのだ。方法は様々だが、大体が身体の一部──主に、手をつなぐなどして──の接触を伴っているようである。
そのような呪物もなくはないが、制作には高い霊能力と、自らの命──特殊技能や能力/制御値の封印の意。──が必要になるため、開発はされていない。また、呪物に宿る意識体と、装着者の意識体の反発からくる副作用も否定できない。
彼等は医療員登録されており──その能力が公的に認められたわけでなく、彼等個人が医療員としての技術と資格を持っているだけ──、仕事の際には規定の医療費に則した料金を請求する。

綾嶺組

組長綾嶺麟を旗頭に、少数精鋭をモットーとしている集団。モットーの示すとおり、そこに身をよせるものはかなりの手だれ。構成員でこそ無いものの、あの『ジェノサイダー』もここに身をよせている。
とちらかといえば武闘派に属する団体。ASAKUSAの祭や土産物屋などからシノギを巻き上げている。代価は他団体よりの保護だ。少数ながら、彼等が浅草で大きい顔できるのは、ひとえに組長の理念が、構成員に徹底されており、各店主連達からそれなりの信頼を受けているからだろう。

WETTISM(ウェッティズム)

自らの意志、自らの思いで生きることを思いだせととなえる団体。USFAD・Ageにおける機械の氾濫に警鐘をならしている。
無論それは機械を否定するのではない。むしろ積極的に使う姿勢を見せているが、"機械に使われる"のではなく、"機械を使う"ということを声高にとなえている。機械は機械であり、人の被造物であり、道具である。それ以上のものでは決してない。自分がそれを使っているのだという自覚と、責任をもて。と、クリス総裁は呼び掛け続けている。

十六夜(いざよい)道場

師範である十六夜煌一郎が経営している武術道場。
とはいえ、師範曰く「人間強くなると余計なイザコザ増えるから、自分を守れるぐらいが丁度良いのさ。あとは隙見て逃げる。これで十分さ。」とのこと。
其故に教えているのは護身術に近い格闘法ぐらいなもの。そのためか、あまり生徒数は多くない様だ。が最近、練習中に怪我をすると、師範の従姉妹らしい可愛い女の子が優しく手当してくれるので、それ目当ての輩が増えてきて師範の頭を悩ましているとか。

ペインティアート財団

古きアナログ時代の技術、絵画。それの保存と技術の継承に血道をあげる財団。鑑定や売買仲介などもしている。

刀剣店"死出真邦(しでのまさくに)"

いわゆる"研ぎ屋"。無論打ち刀もしてくれるが、その技術は企業の大量出荷品に引けを取らないといった程度のもの。
しかして、その心を込めた仕事は一部で定評がある。