一度砕けた世界がやっと安定した、世界的な危機とかがない平穏な時代。とはいえ、それじゃぁ話にならないんで、いろいろ事件は起こるのだが?
いろんなところで使ったキャラとか設定とかを俺の世界に組み込もうと作った時代でもある。
ロストエイジやUSFAD・Ageに出た者や設定などがさまざまに出現する。
基本的にはまきらの町を中心に、話を作るつもり。
リング。通称そう呼び習わされるそれは、正式名称を汎空間連続性維持結晶構造体という。
直径10ミリほどの太さの丸い径を持った、直径35ミリほどの輪状の結晶体。それが世界を変えたのだ。
ある日、世界中の科学研究機関に匿名の小包が届いた。
その中には、件のリングを輪切りにしたものが一対と、データディスク。そして一枚のカードが入っていた。
そのリングは、切断面でないほうから物を差し込むと、もう片方の輪の切断面でないほうから差し込まれたものが出現するというとてつもない代物だった。
データディスクには、リングの組成や生成方法、切断材や切断方法などのありとあらゆるデータが収められていた。
それがなぜ空間の連続性を維持しうるのか、という理論を除いては。
そして何の変哲もない(コンビニエンスストアでも売っているプラスチック製のもの)トランプの"Jyoker"のカード。
当初、この謎の物品に関して研究者たちは無視を決め込んだ。
なぜなら組成や生成方法がわかっても、なぜこの結晶体が切断面で空間の連続性を維持するかが判らなかったからだ。
もちろんジョーカーの意味も、開発者も、発送者や配送元すらわからなかった。
だが・・・それからいく年かのち、世界は一変した。
世界の空から電線が消えた。発電所から変電所、そして変電所から各家庭へとリングが設置されたためだ。
そのため、長大な電線を伝わってくる際にしていた電力ロスがなくなった。なにせ理論上は距離を0にできるのだから。そして、電線の敷設が困難だった山奥などの僻地にも、電気が通った。災害による停電が殆どなくなった。
また、電話やネットワークケーブルなども同様の手段で設置され、災害時など断線によって連絡が途絶するということがなくなった。特に有線式となった携帯電話は遭難などの非常事態に力を発揮した。
高圧送電線によるといわれている、電磁波被害もなくなった。
そして、自動車もおよそ9割が電気自動車へと姿を変えた。
何せ有線式なので、電池切れの心配がない。古きよきエキゾーストは失われたが、排ガスなどの排出は一気に減少した。
化石燃料は工業機械など強力なパワーを発するもの、飛行機械、そして家庭用ガスや各石油製品にのみ利用されるようになった。
また、実用化されていた水素エンジン車もその危険性から・・・というよりは電気自動車のコスト、いわゆる燃費のよさにおされて姿を消していった。
電力の消費が増大するにしたがって、発電施設の不足が叫ばれた。
そして、リングによる新たな施設が開発された。新たな、とは言っても結局のところは水力発電施設である。
水中に魚やゴミなどをよけるネットを張ったリングを沈める。すると、沈めたリングの相方からは常に水が噴出してくる。それでタービンを回し、その後水はもう一対のリングで戻すというわけだ。
若干、海流等に影響を与えるであろうことは懸念されたが、貯水池を作って行えば完全にエコロジカルなこの形式は世界中で採用された。何せ核や火力発電とは汚染度がけた違いだ。
肝心の発電量そのものは核などとは比べ物にならないほど低いが、施設は核など比較にならないほど小規模なので、数で補えるのだ。
また、真水などの液体資源、およびリングを通る大きさのもの(小麦粉や米、液状または粒状の医薬品など)はリングによりやり取りされ、干ばつや飢えなどによる被害を減らした。後世では、これらの資源の譲り合いは世界がひとつに結びつくのに貢献したと言われている。
電力といった主要エネルギーの問題が失われると、人々は環境問題に取り組むようになった。
いや。よりいっそう力を注ぐようになったと言おう。
世界中から核施設が姿を消していった。最後まで頑強に抵抗を続けていた某国も2222年に最後の核兵器を撤廃した。
それを記念して、核完全撤廃の翌年、暦が改まった。地球歴の始まりだった。
世界を包んでいた人類即時自滅の可能性がなくなり、人々は長寿と健康を願うようになった。
抗電磁波素材の開発競争が進み、ほぼ100%の電磁波カットを実現するに至った。
そしてもうひとつとてつもない大発明があった。
オゾン破壊ガスを分解するバクテリアが発見された。このバクテリアにはいくらかの黒い噂があるものの、世界各地に施設が作られた。
集風装置、電熱炉による蒸留装置と、件のバクテリアによる分解層。冷却施設からなっている。
この施設の建造によって数年の内にオゾンホールの拡大を食い止めることが可能となるといった予測が出された。
二酸化炭素による温暖化を食い止めることこそできなかったが、これは大きな一歩だ。
温暖化やそれに伴うとされる災害、廃棄物や戦争による放射能汚染、森林破壊や土壌の酷使、耐性菌や食品汚染など。問題は山積してはいたが、人類は新たな局面を迎えたのだ。
地球暦の始まりと共に。
単純に"ワイズ"と呼ばれる超コンピュータが生み出された。
それは各国が共同で生み出したもので、旧暦で先進国と呼ばれていた国々にターミナルが分散配置され、管理された。
これもリングの恩恵のひとつだ。リングによる内部連結により、このような巨大システムが実現可能となったのだ。
いくつもの人工知能(各ターミナルに一体ないし二体あるという)を統合する形で作られたそれは、ありとあらゆる言語を音声入力でき、翻訳できるというシステムだった。端末の登録情報から判断して当人に最適な翻訳をするといった芸当をも可能としている。翻訳不可能とまでいわれた日本の方言をも再現したのだから驚きだ。機械なだけあって記憶は確かであるため、まったく未登録の言語でも、基本的な事柄であれば3~7日ほどで学習してしまうという。
余談ではあるが、"ワイズ"の呼称は各国の担当ターミナルにある人工知能の固有名詞で呼ばれることが多いようだ。ちなみに日本は"オモイカネ"。往々にして、古き神々の名をつけられることが多いようである。
同時通訳も不可能ではないが、今まさにしゃべっている音声と混ざって聞きづらくなってしまうため、あまり使われていないようだ。
電子メールなども"ワイズ"を通すことによって翻訳が可能となっている。
肉筆のものはいかんともしがたいが、テレビ電話などで"ワイズ"に翻訳してもらうことが可能となっている。とはいえ、あまりに達筆すぎたりする場合などは翻訳不能になったりもする。
"ワイズ"の管理、維持費は各国の国家予算に組み込まれている。つまり税金だ。
こうして人々は、擬似的にではあるが言葉の壁さえも取り払うことに成功した。
地球暦に入る前に、日本の学術教育方法はずいぶんと様変わりした。それを進化というか退化というかは意見の分かれるところだが。
一言で言えば、学校がなくなった。とはいえ、高等学校と大学はある。
西暦の時代、日本で義務教育と呼ばれていた初等科、中等科の学術教育はAIによるプログラム教育で行われる"教養課程"と名を変えた。
2Dモニターによるものや3Dホロによるものなど、形態は様々だが大体は課程毎にデータディスクに納められており、どこでも講義を受けることができる。
家の管理コンピュータにインストールして、管理コンピュータそのものやお手伝いロボット等が教師になるというのが一般的な形態となった。
もちろん、人間から教育を受けさせたいという人も後を絶たないので、そういう学校──高級養育施設──もあるし、派遣教師の口も少なくない。
そして、"教養課程"の全課程をおえると、ディスクによるものならば自動的に文部省に連絡が行き、数日のうちに"修認"登録がなされ、カードが送付される。
人によるものならば、教師が同様の手続きをして登録を行う。その際、認定カードは教師の元に届き、生徒に手渡すのが慣例となっているようだ。
"教養課程"の全課程を終らせさえすれば"修認"がもらえるのだから、幼くとも"修認"を受けることが可能となった。
余談ではあるが、"修認"の取得最低年齢は、公的記録によれば7歳だという。
そういった特殊な例はさておき、大体12~16歳の間に修認を受けるのが一般的といわれている。
高等学校というものは西暦の時代とさほど変わらない形態をとっている。
しかし、受験資格が「"教養課程修認"程度の学力と授業料の保証」となっている。つまり、授業料さえ納められるのならば、別に修認を得ていなくとも受験はできるのだ。もちろん、受かるかどうかは別問題なのだが。
地球暦における高等学校は、"高等義務教育"のようになっている西暦時代のそれよりは学問機関としての色合いが強いようだ。飛び級もあれば、カリキュラムや教師も選択制である。
もちろん入学試験をパスして、授業料を納められさえするならば、年齢は不問。
とはいえ、リングによる高速で安定したウェブネットワークが確立されている地球暦代では、家族以外の他人との共同生活を体験する事が少なく、そういう意味合いで子を受験させる親が多いようだ。
やはり友と語らい、庇護のもとでバカをやり、傷つき、悩み、笑い、楽しむことを憶えるために。
そして、誰かに教えられるのではなく自分で、自分たちで学ぶということを知るためには、3年という年月はけして無駄ではないというのが一般の受け取りかたのようだ。
そしてそれこそが、この旧態依然とした高校制度が、現代まで生き延びてきた理由なのかもしれない。
世界に先んじてリングの有用性をみぬき、さまざまな使用特許をとった個人の起こしたグループ。
有り余る財力を持ってさまざまな企業を傘下におさめ、それらを駆使して、さまざまな分野で活動しているグループである。
GTRシリーズで有名なHIBIKI造機を含む機械工業、響食産で有名な畜産農園グループ、スーパーマケーットチェーンひびき屋など多岐にわたる。
響グループが後にGTRシリーズと呼ばれる家庭用の人型ロボットを発売した。
擬似筋繊維と人工皮膚による偽装により、ほぼ人間と区別のつかない外見をしたロボットだ。
とはいえ、膝から下だけがいかつい機械の外見を保っている。
この部分は主に、擬似筋繊維による発熱から内部の回路類を守るための放熱機関であるが、開発者によれば「完全に人間と変わらぬ形にもできますが、どこかしらメカっぽいところが残っていたほうが、あぁこれは機械なんだっていう認識がうまれます。これらは機械ですから、誤解を避けるためにもね。」とのことである。
リングによる有線電源なので、家庭の電源が停電しない限りはずっと動いている。
なお、GTRとはグラシア・タイプ・ロボットの頭文字であり、グラシアとはシリーズ初代機の機体名である。
畜産、農産を巨大ビル内で行っている。農業は無農薬、畜産は無菌育成が売り文句。豚も生で食べられる。
太陽光をファイバーで、気温や湿度を原産地や名産地にあわせて手作業で栽培する。虫や雑草などの被害が少ないため、無農薬での生産がしやすい。これも電力安価の恩恵といえるだろう。
また、同グループの技術によるロボットたちにより、省労力化が進んでいる。
畜産から農業、そしてまた畜産飼料へとのサイクルが出来上がっていて、西暦の時代から見れば、より原始的(自然的)といえる。もちろん、無菌ビルや代替労力のロボットを抜かせば、の話だが。
暦がグレゴリオ暦から、ひと月28日、1年13ヶ月の新暦に変わっている。
とはいえ、諸外国では宗教上の都合からかグレゴリオ暦を使い続ける地域が多いのが現状である。
キリスト教と縁の薄い地域、主にアジア諸国では切り替えが速く行われた。無論伝統的な暦上の祝い事などはそのままに。
世界平均で日産1.3人。総人口が30億ほど。男女比3:7。
原因は環境ホルモンや抗生物質などの薬品類の数世代による長期摂取が一因とされている。
男性の機能低下や、女性の生理不順などは長時間労働など不規則で、不健康な生活も要因だったとさえ言われている。
大変動が"なかったこと"になっているので、上記のような要因で、徐々に減っていったものだと考えられているのだ。
サイバーウェアや軌道エレベータ、各種機械類などが遺物となっている。
水位が戻っていることと、大変動のせいで、N◎VAやその他の水上都市は半壊し海に沈んでいる。
不思議なほどサルバーは少ないが、その遺失技術は多大な恩恵を与える。とはいえ、海水に浸かっていた機械類から運よくデータを引き出せたらの話だが。
なお、リングワールド代においては、サイバーウェアは一般的でない。技術が失われていることもあるし、何より人体がそれを拒絶する場合が多い。USFAD・Ageでは風魅香のおかげで(せいで)ニューラルブースターなどが拒絶反応も少なく機能していたのだ。
二酸化炭素の排出量が減り、オゾン再生施設ができてきたとはいえ、すでに破壊されたオゾン層がいきなり直るわけではなく、世界を守っていた風魅香もいない。地上に降り注ぐ紫外線量は西暦時代よりも圧倒的に多い。
外に出るときは、紫外線対策をしっかりしないといけない。基本的に防紫外線クリームを常用して、外に出るときは帽子や日傘などが一般的。
夏場はリングを使って(冷風を吹き込んで)内部を冷やすマントやポンチョ、ロングコート類が一般的。
某国の力が落ちていることもあり、日本は捕鯨を再開している。
公正なる頭数調査と計画的捕鯨により、鯨食文化は復興の道をたどっている。
一度壊滅に追いやられた文化の復興は容易ではないが、確実に歩みを進めている。
西暦の時代に
話の舞台。
旧魔輝炎町にある、大学園。
教育システムの変化や少子化のあおりを受けて規模は縮小されたが、相変わらず大学までの全学科がそろっている。
使われなくなった建物を寮や図書館に当てるなどして、過去よりも設備は充実しているといわれている。
光臨学園内にある学生食堂。4姉弟でやっている、文字通りの学生食堂。
必ず4時間目は欠席する彼らがどうやって単位を維持しているのかは謎である。
昇竜麺の後継店。おなじみの下記チャレンジ色物メニューはともかく、普通のメニューは盛りも味も絶品である。お値段は最近のラーメン店ぽく少々お高めだが、うまいからいいかという感じ。
常連になればツケも効くらしい。キメ台詞は「朋友・・・だろ?」