紅牙のTRPG的何やかや

樹 優二郎

概要

肩口ほどまでのボサ髪をゴムでポニーテールにまとめ、まとまらなかった分を紫のバンダナで押さえている。基本的には作業服ズボンにジャングルブーツ、シャツにレザージャケットという出で立ちで、釣り竿入れに刀を隠し、持ち歩いている。大型2輪を駆る。

最初はただのヤンキーだった。

女神転生でそういうスキルがあって、有用性もなく誰も使わなかったので使ってみようと思った。それだけだった。
覚醒し、マントラを操るようになり、師に逢い日本刀を操るようになった。その時師匠がくれた刀が、銘刀"無双狼氷"だった。
そして何でか忘れたが、闇武闘会に出ることになった。妙にジャンプ的な展開だったが・・・実際そこに行く前にマスターがやめてしまい、続きはなかった。

その後、妖魔夜行で妖怪化。その際に、何をどう勘違いしたのか妖刀を"無双狼氷"ではなく"咆吼の刃"だと思いこんでしまい。(キャラ紙にはちゃんと"無双狼氷"と書いてるにもかかわらず。)妖魔夜行用の設定を起こしてしまった。
間違いに気づいたのはCPが900を超えたあたり。もう後戻りはできないところまで来ていたので、そのまま突き進み、あわれ"無双狼氷"は闇の中へ(笑)

そんなこんなしている内に、"名状しがたい"姿を得ることとなった彼は、紅牙のキャラクター中最恐ということに相成ったのす。
ちなみに、紅牙的には彼の本性は、絵にもしなければ詳しく描写もしません。描けないというのもあるが、彼の姿を目の当たりにした者の恐怖の表情や描写、それこそが彼の本性を雄弁に描き出す・・・という感じで行こうと思ってます。

その後彼は風魅香と関わりを持ち、世界の真実を知り、魔人と化します。そして遙か遠くスターレジェンド代まで生き続けます。どこまで行くんでしょうね、彼(笑)

優二郎のエピソード

以下に各シナリオで提出したエピソードを記しましょう。USFAD・Ageのそれはちょっとボリュームがあるし、主人公ではないのでnovelに収録。「閃光の獅子と狂気の長」がそれです。

妖魔夜行用前設定

バイクにまたがり煙草をふかしている少年。彼の名は樹優二郎。
涼しげな風貌をしており、伸ばしっぱなしのぼさぼさの髪をゴムとバンダナで止めている。
どうみてもティーンエイジャーにしかみえないが、彼は既に60を越す、れっきとした老人(笑)だ。
17の時、あることから参加した裏の中の裏世界での格闘技大会。妖怪や怪物、超人が多く参加するその闘技祭で彼の人生は変った。いや、止まったというほうが正しいかもしれない。
強力な力をもつ相手に仲間は次々に倒れ伏した。そんな中、優二郎は力を欲した。自分が生き延びるために、仲間を生き残らせるために。なにものにも負けぬ力を。そして、その願は叶えられた。人としての時を代価として。
剣術の師、神崎より賜わった鬼刀"咆哮の刃"。その刀には文字どおり鬼が宿っていたのだ。
敵が優二郎の刀を奪い取り、それで彼の心臓を刺したその時、鬼が優二郎の身体に入り込んだ。
優二郎は、力への渇望から、その鬼を受け入れた。が、のまれはしなかった。
強大にして恐ろしき力を己が物とし、心まで鬼になる事はなかったのだ。
師にいわせれば、優二郎の身体には、もともとそれを使うにたる器があったのだという。もっとも、この様な状況で、鬼に意識を食われずにすみ、逆に意識を駆逐するとは、師ですらも思い及ばなかったそうだ。
だが、それからというもの、彼の肉体の時は止まってしまった。

時々来る鬼の意識のフラッシュバックで、この鬼の力はまだ封じられているということを知った。おそらくは、その力を取り戻す方法も…。ビジョンの中、鬼は8本の手に各々事なる刀を持ち、振るい敵を屠っていた。
おそらく、この世にあるであろう残り7本の鬼刀を見付け出せば…鬼の封は解けるのだろう。
「へっ……興味はねぇな。」
そのことに思いを馳せ、優二郎は煙草の煙をはきながら一人ごちる。
今、彼は妖怪のネットワークに身を寄せている。そこでならば、己の戦いへの渇望を、人々を守るという大義名分で正当化できる。
彼はそう言ってはいるが、人々を守るという思いはかなり、いや…すごく強いのだろう。

彼が力を、鬼のではない力に目覚めたとき。その代償は唯一とも呼べる親友の死だった。喧嘩っぱやく、誰からも敬遠されていた優二郎に、分け隔てなく接してくれた唯一の友の…。
しかし、肉体はともかく、彼は精神的には成長している。いつまでもそれに縛られてはいない。
いまでは、万が一のときに自分を止められるようにと、事件がらみの時は一人では行動しない。
そのためか、目下彼の口癖は「いいか相棒。人間の………ってやつを教えてやる。」と「せっかく俺達は力を持ってんだ、つかわなきゃ損ってもんさ。」と「…俺の右に出る奴なんざいやしねぇよ。」だ。
口と態度と目つきは怖いが、根は優しい人間のようだ。ただ、とことん素直でないあたり………。

"鬨の刃"を手にしたときのエピソード

「僕は、君さ。君の身体から作られたもう一人の君…。」
「……」
倒され、床に這いつくばっている優二郎は微動だにしない。だが、その瞳は死んではいない。
自分と寸分違わぬ「人間」を見ても、事実を語られても、彼の瞳は動揺に彩られはしなかった。
「…僕は、創造手の元で武道を極めた。君がふらふら遊び回ってるあいだにね。僕は君と全く同じ素養、才能をもっていた。…けど…」

薄ぐらい室内。優二郎は一言も喋らず、己が分身が話を続けるのを聞いている。
「僕は生まれたときから、毎日毎日、ただひたすら「影」達と戦った、それこそ休む間もなくね。」
「一つ聞きいていいか…?……そこまで俺と違っておきながら、何故俺を狙う?」
「判らないかい?別に君と入れ替わりたい訳じゃない。ただ、僕が僕であるためにどうしても「オリジナル」を倒しておく必要があったのさ。」
そこで「分身」は一呼吸おき、嘲る様に続けた。
「でも、期待外れだったよ。僕の「オリジナル」がこんなに弱かったなんてね。…環境が人を変えるってのは本当だね。」
「………止めをさすんなら、その刀でさすのはやめるんだな…。」
「分身」は己が刀を振り上げ、言った。
「…何をふざけたことを…。弱い事は悪いことさ。……聞くところによると、君が腑甲斐ないせいで友人を殺してるそうだね?」

優二郎の身体がびくりと動く。
「ひっ…」
優二郎の身体からすさまじい怒りのオーラが吹き上がる、ただの「人間」にも判るようにすさまじい勢いで。
「分身」は触れてはいけない逆鱗に触れたのだ。彼を、優二郎を止める術は、もはや……ない。

傷だらけで立てないはずの優二郎は、ゆらりと立ち上がる。
「し、死ねぇ!死にぞこないめ!」
「分身」の刀が優二郎を突き通す。だが、優二郎は倒れない。傷口から怒涛の様に血を噴き出しながらも、優二郎は凄絶な笑みを浮かべ、言った。
「…言ったろう?…その刀はつかうなってな。」
血飛沫を上げながら、優二郎の身体が変形していく。
「環境が人を変える…だったな。……そのとおりさ。俺は手前ぇなんかが及びもつかねぇ環境で生きて来た。」
「ば、化け物…」
「そうさ。そして、手前ぇの持っていたこの刀も……俺の一部だったのさ。一目見て判ったゼ。………年寄りの言う事は聞くもんだ。」
優二郎は「分身」にゆっくりと近づいていく。
「ぼ、僕はもう降参する!ね?君は白旗上げてる奴を苛めるのかい?君は人間を殺すのか?」
優二郎は聞こえるか聞こえないか、ぎりぎりの声で言った。
「…俺は……鬼だ。」
「ひっ…」
それが「分身」の残した最後の言葉となった。

「………お前が言ったのさ…友を、人間である友を殺したのは俺だ…ってな。」
そして、あたりは静寂に包まれた。眠りの夜が、宵闇があたり全てを同一に染めていった…。
──…こいつは間違いなく人間…老いる身体を持った人間だ…。なぜ今ごろ…誰が……なんのために……?
彼は、だれかが造り出した者だったのか?…それとも、優二郎自身の心が生み出した者だったのだろうか?

鬼刀の設定

……2本目の刀を…"鬨の刃"を見つけちまった。…どうやら、そいつがおれの運命って奴らしい。
それによって俺は、"記憶"と"耐性"を手にいれた。……それが良い事か、悪い事か、さだかじゃねぇがな。
雷撃にも昔ほど弱くねぇ。…まだしばらくは身体がしびれるがな、力が引っ込むなんて事ぁなくなった。
そして"記憶"のおかげで、残る刀の名も思い出しちまった。
"咆哮""鬨""嗤笑""睥睨""歔欷""叫喚""呻吟""鬼哭"………。
…己が内なる衝動にしたがって、戦いを続けていけば……いつかは、全ての刀を手にするときもあるだろうよ。
……なぁ相棒。賭けるかい?その時…俺が勝つか、鬼が勝つか、をな。
…こんなんでもいいぜ…。いつまで、俺が俺でいられるかどうか、…ってな。

とあるエピソード

「……お前のいう事も判らねぇ訳じゃねぇ。だがな、物事にはやり方ってもんがあるんだ。」
「お前など、なにも判ってはいない。我々とて手段をこうじたのだ…。」
「………………しかたねぇな。戦るっきゃねぇ様だな…。かかってきな、現実逃避の甘ったれボウズ。」
「理いた風な口を叩くな人間がぁ!」
戦いの趨勢は瞬時にして決まった。妖怪は、全身から血をながし、それでも生きていた。動けはしなかったが。
「悪いが…お前のその暗い狂気を取り除かせてもらうぜ……。復讐心、猜疑心、嫌悪、義務と誇り…。混ざりあい腐りあって、手前ぇの心すら蝕んでる暗い暗い狂気をな…。
……落ち着いた頭で、平和的な方法を考えな。人、そして意志を持つ者が、意志と己をかけて事をなす時、そして、それが正しい事だったら……できねぇことなどありゃしねぇよ。……なにもな。」

USFAD・Age

「閃光の獅子と狂気の長」のあと、しばらく経ってから彼は煌一郎を導いて風魅香を討たせます。
魔人である優二郎なら、自分でも風魅香を倒すことはできるのですが、魔人たる者を世界に返すことはできない。それは奇跡でさえあり得ないようなことなのだが、そも魔人に奇跡はおこらない。なぜなら奇跡は世界が起こすものだから。世界に嫌われた魔人に、奇跡は起こらない。

そこで、勇者たる十六夜であれば、風魅香を世界に還らせつつ討ち果たすことができるかもしれないと考えたのです。それにしたっていくつもの奇跡が必要なのですが、可能性が"無い"よりは"低い"方が可能性は高いというモノです。